圓泉寺の不動明王は、像高49.5糎。寄木造で、江戸時代の作と推察されます。 像容は、頂蓮をいただき左肩に弁髪をたらした忿怒形で、猛炎を背負い右手に 利剣、左手に羂索を持ち、左足を踏み出して岩座の上に立っておられます。 脇侍として矜羯羅・制吁迦の二童子を従えた、いわゆる三尊形式の尊像です。
仏教では、人間は三界と六道に生死を繰り返す(輪廻転生)と考えられ 死者は冥界(仏の世界)で順次十人の王の裁判を受け、 ゆくべき世界が定まるとされています。 やがて十王には本地が定められ、 十三仏が成立して人々の救済にあたるとされるようになりました。
圓泉寺の観音像は、阿弥陀如来の化仏をいただく宝冠をかむり、 身に条帛・裳をまとい、天衣をつけ、胸飾・腕輪・瓔珞などで身を飾り、 結跏趺座して蓮華座に座っておられます。 像高36.2糎。寄木造で、江戸時代の作と推定されます。
六地蔵は、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)のどこにいても救済の手を差し伸べてくださる地蔵尊です。 圓泉寺の六地蔵尊は、寛政11年11月に造立されたもので、 墓地を入った左手に安置されています。
寛政3年の造立で、縁日本尊として広く庶民の信仰を集めていました。 昭和43年5月21日に三軒茶屋地区から圓泉寺の境内に遷座され、 深い信仰が寄せられ続けています。 玉川六地蔵の第四番の地蔵尊です。
山門右脇の大欅の根元の洞に、二基の板碑型庚申塔が安置されています。 もとは門前に安置されていたものを、大欅を伐ったのちに移したものです。