【寺院名】金竜山 不退寺(ふたいじ)

【宗派名】真言律宗
【別名】業平寺
【住所】奈良県奈良市法蓮東垣内町517
【本尊】聖観世音菩薩
【開山】
【開基】在原業平朝臣
【由緒】不退寺は仁明天皇(在位833-850)の勅願により、近衛中将兼美濃権守在原業平朝臣によって建立された。大同4年(809)平城天皇の譲位後、平城京の北東の地に萱葺きの御殿を造営した。この御殿は「萱の御所」と呼ばれ、平城天皇、阿保親王、業平朝臣と住み継がれていった。承和14年(847)、詔を奉じて旧居を精舎とし、自ら観音像を作り本尊として安置し、父親王の菩提を弔うとともに、衆生済度のために「法輪を転じて退かず」と発願し、不退転法輪寺と号して、仁明天皇の勅願所となった。略して不退寺(業平寺)と呼び、南都十五大寺の1つとして、法燈盛んであった。その後時代の推移と共に衰頽したが慶長7年(1602)、寺領50石を得て、一時寺観を整え南都に特異な存在を示した。昭和5年(1930)4月久宮邦英殿下が御来山なされ、修理進捗の記念に、香炉1基を下賜されたことが、寺史に精彩を加えている。
【寺宝】聖観世音菩薩立像(重文)/五大明王像(重文)/阿保親王坐像(県文)/地蔵菩薩立像/業平の舎利塔(重文)/南門(重文)/本堂(重文)/多宝塔(重文)/その他