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続・質問帳

若林隆壽

質問

お仏壇の仏さまをお掃除するときは「魂抜(たまぬ)き」をしなければいけませんか。

回答

若林隆壽

 

   お仏壇の中の仏さまを「お内仏(ないぶつ)」といい、宗派によってはお仏壇そのものをこう呼ぶこともあります。
  これは、僧侶の日常生活の場である「庫裏(くり)」や、「私堂(しどう)」「持仏堂(じぶつどう)」などに安置(あんち)された「念時仏(ねんじぶつ)」を、ご本堂の「ご本尊(ほんぞん)」に対して呼んだもので、「内」というのは「私的な」「うちうちの」という意味です。
  この「お内仏」は、お仏壇にお祀(まつ)りする際に、ご本山(ほんざん)や菩提寺(ぼだいじ)さまで、いわゆる「魂入(たまい)れ」「開眼(かいげん)」の作法(さほう)が行われて初めて、それぞれの家の「ご本尊」として「機能(きのう)」し始めるわけですが、仏さまとして毎日掌(て)を合わせている仏像を手にとって、はたきをかけたり、布で拭(ふ)いたりするのは憚(はばか)られるとお考えになることは至極(しごく)当然のことだと思います。
  たしかに、寺院での年末の「すす払い」や、お盆の前の「お身拭(みぬぐ)い」などでは、作業に入る前に、仏さまを、元のただのお像に戻すために、「発遣(はっけん)」といって、「魂抜き」の作法が行われることが多いようです。
  もちろん、皆さんのご家庭でもそうするのが最善には違いありませんが、実際には難しいでしょう。
  したがって、仏さまとしてお掃除することになるわけですから、金箔(きんぱく)の部分には直接手を触れず、やわらかい布や専用の筆を使い、細工(さいく)の細かい部分を傷つけたりするこのないよう注意を払うことが大切です。
  仏さまとして粗末(そまつ)にせぬよう、きれいにして差し上げましょう。

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