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続・質問帳

若林隆壽

質問

今回の地震の津波でお仏壇もお墓も、ご先祖の遺骨(いこつ)までも流されてしまいました。どのようにお盆を迎えたらよいですか。

回答

若林隆壽

   今回、東北から関東にかけて広範囲に被害をもたらした巨大地震は、まさにわれわれの経験値をはるかに超える規模で牙(きば)をむきました。一つの市や町、村が丸ごと津波にのみ込まれ、あたかも空襲後の焦土(しょうど)を思わせる惨状(さんじょう)には、ただ言葉を失うのみです。ご冥福(めいふく)をお祈り申し上げますとともに、お見舞い申し上げます。
  今なお毎日のように余震が続き、一万人を超える方々が行方不明、ご遺体の身元確認も進まないという状況の中でも無情に時は過ぎ、まもなく今年もお盆の時期を迎えます。
  当然のことながら、「例年通り」に行事を勤(つと)めることは不可能でしょう。多くのご寺院も被災(ひさい)されていますから、お寺の方も「今まで通り」というわけにはいきません。

  また「計画的避難」という呼び名の「強制退去」によって、このお盆を懐(なつ)かしい故郷で迎えることのできない方も大勢いらっしゃいます。
  「復興(ふっこう)」や「新生(しんせい)」の先行きが不透明な中、「十分な供養がしてあげられなくて申し訳ない」というお気持ちになられることもあろうかと思います。
  今は、いつでも、どこでも、その場で掌(て)を合わせ、静かに亡き方のことを想って頂くだけで十分です。その尊(とうと)い気持ちは必ず通じます。

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