質問
★「二十四節気(にじゅうしせっき)」とは何ですか。
回答
若林隆壽
「二十四節気」は季節の変化を表す指標(しひょう)」のことで、ニュースや天気予報などで、「暦(こよみ)の上ではもう春ですが・・・」といった表現を聞くことがありますが、この「暦(こよみ)の上では」が実は「二十四節気」のことをいっているのです。
「二十四節気」は毎年必ず同じ日や期間をいうわけではなく、太陽の動きを観察して、「冬至(とうじ)」を基準に定められています。季節の始まりを表すのが、「四立(しりつ)」といって「立春(りっしゅん)」「立夏(りっか)」「立秋(りっしゅう)」「立冬(りっとう)」です。
「暦の上の春」は「立春」から「立夏」までで、それぞれの季節の真ん中に「二至二分(にしにぶん)」という、「春分(しゅんぶん)」「夏至(げし)」「秋分(しゅうぶん)」「冬至(とうじ)」が配置されています。
ちなみに「二十四節気」のうち、「春」には、ほぼ十五日の間隔で、寒さも峠(とうげ)を越え、春の気配(けはい)が感じられる「立春」、陽気(ようき)がよくなり雪や氷が溶(と)けて水となり、雪が雨に変わる「雨水(うすい)」、冬ごもりしていた地中の虫がはい出してくる「啓蟄(けいちつ)」、春のお彼岸の「お中日(ちゅうにち)」、太陽が真東から昇(のぼ)って真西に沈み昼夜がほぼ等しくなる「春分」、すべてのものが生き生きとして清らかに見える「清明(せいめい)」、穀物(こくもつ)の生育を促(うなが)す春雨(はるさめ)が降る「穀雨(こくう)」の六つがあります。
「法律」にも「自然をたたえ、生物をいつくしむ」と規定されている「春分の日」=「お中日」は、「季節感」を大切にしてきた先人(せんじん)たちに思い馳(は)せる日でもあります。