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◆Vol.2◆

− 女性13人、禁制の大峰山に 強行登山 −

●1999.10.28 共同通信ニュース速報

    女人禁制の修験道の根本道場「大峰山」(奈良県天川村)系の山上ケ岳に今年8月、同県内の小中学校の女性教諭13人が登頂、この強行登山に寺側は困惑している。登山した教諭は、奈良教職員組合の「男女共生教育研究推進委員会」のメンバーで、ある教諭が課外学習で生徒が男女別々に違うコースを登るのはおかしい、と問題提起し、山上ケ岳の女人禁制をテーマに、地元の住民など関係者から聞き取り調査をした後、男性を含む21人で登山を決行。同会代表で、登頂した森永雅世教諭は「登ってみて結界は人間がつくったものだと確信した。女人禁制を、身近な女性差別として考えてもらう機会になれば」と話している。これに対し大峰山を護持する喜蔵院の中井教善住職は「教育者が、長い伝統のある禁制を一方的に破ったことに憤りを感じる。信者の中には熱心な女性信者もおり、その人たちに、申し訳ない気持ちだ」と怒りを隠さない。2年前、開祖役行者の千三百回忌に当たる2000年5月から解禁しては、という意見が一部の寺から出され、大きな議論となったが、今年1月、真言宗醍醐派など修験道三宗派が2000年中の女人禁制撤廃は難しい、という見通しを発表している。

− 禅寺に精進料理道場  −

●1999.10.26 共同通信ニュース速報

    禅宗の名刹妙心寺(京都市右京区)山内の東林院に、座禅ならぬ精進料理の体験道場「添菜(てんさい)寮」が完成。住職自ら市民に手ほどきするユニークな料理教室が11月、開講する。
    料理教室は「壇信徒以外の人に気軽に寺へ来てもらう機会を」と、西川玄房・東林院住職(60)が発案した。新築の道場は約30平方メートルの広さで調理台が5ヶ所。5グループ、15人前後が一緒に作業でき、調理後は枯れ山水庭園を前に自作と住職手製の精進料理を味わえる。
    11月2日から毎週火曜日の昼に開講。境内の菜園で育てた京野菜などを素材に、住職がつくる月替わりの献立に沿って二、三品を作る。
    参加費は三千円。問い合わせは東林院、電話075(463)1334


− 「本物」のボダイジュ、東北で栽培に成功  −

●1999.10.2 読売新聞ニュース速報

    釈迦が木陰で悟りを開いたとされるインドボダイジュの屋外栽培に、福島市飯坂町平野の会社役員大矢泰治さん(60)が成功した。熱帯原産で寒さに弱く、専門家は「東北での屋外栽培は奇跡的」と驚いている。昨年、種まきを8月下旬に遅らせ、芽が出、今では1メートル近くに。日本の寺院に「ボダイジュ」として植えられているのは、中国原産のシナノキ科の落葉樹がほとんどであるため、大矢さんは「お寺で“本物”を育ててもらえれば」と話している。

− 障壁画の大作を一斉公開 京都の寺院、美術館  −

●1999.9.30 共同通信ニュース速報

    銀閣寺など京都・東山の五カ所の寺院と美術館が、文化勲章受章者の奥田元宋さんらが描いた障壁画を2日から特別公開する。多くは最近十年に日本画の大家が完成させた大作で、一斉公開は初の試み。
    発案した後藤典生・円徳院住職は「いずれも将来は文化財として高く評価される作品。京都が発信する新しい文化を見てもらいたい」と話している。
    公開されるのは銀閣寺「弄清亭」を彩る奥田さんの風景画や、紅葉で知られる永観堂のふすまに描いた関口雄揮さんの作品「浄土の霊峰」など。高台寺「掌美術館」は、洋画家田村宗立による建仁寺僧堂の雲竜図を初公開する。
    ※期間−−−12月5日まで。
    ※高台寺と円徳院は共通拝観券あり。
    ※銀閣寺は事前申し込み制で拝観料のほかに3000円が必要。
    ※問い合わせ
    「京都ルネッサンス巡り実行委員会」事務局、電話075(231)6415                 


− 車いすで京都観光楽しんで 障害者のためにガイド本  −

●1999.9.28 共同通信ニュース速報

    京都観光を楽しむ高齢者や障害者のために、車いすで回れる観光名所や交通機関を明記したガイドブック「車いす・シニアにやさしい京都巡り」を「ユニプラン」(京都市)が出版した。読者から「車いす用ガイドブックがあれば」という要望があり、社寺仏閣など、観光名所として知られる約百カ所をスタッフが歩いて調査。本殿などに車いすのまま近づけるルートや、境内に設置されたスロープ、車いす用トイレなどを案内図に色分けして示した。また段差を避ける順路などをアドバイス、巻末には主要な交通機関のエレベーター位置をまとめ、大きめの活字を使い、読みやすさにも配慮している。
    152P、定価1500円。問い合わせはユニプラン、電話075(251)0125                 


− とんちで「苦」を突破 99年9月9日の一休寺  −

●1999.9.9 共同通信ニュース速報

    「苦」に通じるとして嫌われがちな数字の「九」が日時に並んだ九日朝、とんち話で知られる室町時代の僧一休ゆかりの一休寺(京都府京田辺市)で、「苦を突く」として、鐘やもちをついて苦を乗り越えようというイベントがあり、約750人が参加した。「社会が気息えんえんとし、地球も環境汚染に苦しむ世紀末に苦を突き、二十一世紀への心構えを固めよう」というのが開催の趣旨で、企画は「一休酬恩会」。一九九九年九月九日午前九時九分、田辺宗一住職を導師に「苦を払う法要」。鐘突き、もちつきと続き、「一休のもち」を食べて総仕上げをした。その心は「一休は数字にすれば一と九。足すと十になる。一休のもちを食べ、九(苦)を超える」ことだという。

− 国内最古級の薬師如来坐像 文化財調査で判明  −

●1999.9.8 毎日新聞ニュース速報

    飛鳥時代後期(7世紀後半)の作と見られる国内最古級の木製の薬師如来坐像が、三重県上野市中友生の曹洞宗、見徳寺(清原宏昌住職)で確認され、「伊賀文化財研究会」(代表・河原由雄愛知県立大教授)が8日、発表した。まゆと目の間隔の広い童顔で、研究会では「法隆寺金堂にある天蓋の天人像(国重要文化財)などと極めて表情が似ている」と評価している。坐像は、高さ65.7センチ、幅41センチ、奥行き33.7センチ。手や腕以外は、クスノキとみられる1本の広葉樹に彫られている。悟りを開いた穏やかな表情が特徴で、全身に漆が塗られ、胸など一部には制作時のものとみられる金ぱくも残っている。

− 48キロを千日間 9年がかりで回峰行達成  −

●1999.9.2 共同通信ニュース速報

    奈良県・吉野山の金峰山寺持明院の塩沼亮潤住職(31)が二日、同寺蔵王堂から山上ケ岳(1,719メートル)の大峯山寺まで一日往復48キロを千日間歩く「大峰千日回峰行」を9年がかりで達成し、満行式が営まれた。同寺によると、大峰千日回峰行は同寺成就院の柳沢真吾住職が1984年に達成して以来、二人目という。塩沼住職は91年に回峰行を開始。毎年、大峰山が開かれる5月から9月初旬までの約4ヶ月間、往復48キロの道のりを一日も休むことなく歩き続けた。最後の山行となるこの日も、死出の旅を意味するという「白装束」に身を包んだ塩沼住職はいつもと同じコースを約14時間かけて歩き、午後2時半ごろ、蔵王堂に到着。祈りをささげた後、金峰山寺の五条順教管長から達成を認証する満行証書を受け取った。塩沼住職は「九年間は苦しい道のりだったが、み仏の優しさを感じることができて、本当に幸せに思った。初心を忘れることなく行道に励んでいきたい」と語った。

− アメリカジャスミンの花が季節はずれの開花 - 了仙寺  −

●1999.9.1 毎日新聞ニュース速報

    日米和親条約付録協定の下田条約が締結された場所として知られる静岡県下田市にある了仙寺で、アメリカジャスミンの花が季節はずれの開花を始め、条約締結の際にペリーが歩いたといわれる参道「ペリーロード」から境内にかけて、紫や白の花びらが観光客の目を楽しませている。 松井大英住職によると、本来は5月中旬が開花シーズンだが、肥料を工夫することで、7月と9月にも花を付け、半年にわたって色と香りが楽しめるようになるという。今では「ジャスミン寺」としても有名で、アロマテラピーや「癒しブーム」にも乗って、ここ1〜2年は花を目当てに訪れる人が増えている。見ごろは今月いっぱい。 

− 寺院収蔵の古文書 くん蒸  −

●1999.7.29 NHKニュース速報

    金沢市で、寺院に残されている古文書などの貴重な資料を害虫から守るためのくん蒸作業が行われた。金沢市では、市の歴史について調査した際に、市内にある寺院や神社にまだ把握されていないさまざまな歴史資料が残されていることがわかったため、今年から民間で所有されている資料についても、くん蒸を行って保存に努めることになり、29日は金沢市白菊町の瑞泉寺に残されている資料のくん蒸が行われ、古文書や書状などおよそ一万八千点がくん蒸を行う専用の車に積み込まれました。 瑞泉寺は江戸時代、加賀藩にある寺院のまとめ役を務めていて、くん蒸される資料の中には、寺社奉行や各地の寺院との間で交わされた手紙などが多く、当時の様子をうかがうことができる貴重な資料。くん蒸は、車の荷台の中に害虫を駆除するガスを充満させて二十四時間行われることになっていて、くん蒸が終わった資料は、十一月にオープンする金沢市玉川図書館の歴史資料館で展示される。

− バイオリンの調べでお経  −

●1999.7.28 読売新聞ニュース速報

    東京・港区の浄土宗寺院「大信寺」が、バイオリンの伴奏で声楽家が経文を歌うスタイルの告別式「仏教音楽葬」を始めた。お経に親しんでもらおうと、音楽好きの中村孝之住職が発案し、自ら作曲。

− 高山の古代寺院跡から文字かわら出土  −

●1999.7.23 NHKニュース速報

    7世紀に建てられた岐阜県高山市の古代寺院跡「三仏寺廃寺跡」から、岐阜県内では初めて文字の書かれたかわらが出土。このかわらは、市の教育委員会が高山市三福寺町の「三仏寺廃寺跡」で三年前から進めている発掘調査の出土品の中から見つかったもの。文字が書かれたかわらの破片は二つで、縦15センチ、横8センチのかわらには、ヘラを使って「山・田・寺」の三文字が漢字で書かれ、また、もう一つのかわらの破片にも、同じように漢字二文字で大きい寺「大寺」と記されている。これらのかわらは「三仏寺廃寺跡」から一緒に出土した須恵器などから今から千二百年前の奈良時代に文字が書かれたものとみられていて、岐阜県内では初めて出土。また、かわらに記された「山田寺」という文字については、奈良県の桜井市に「山田寺」という古代寺院があることから、飛騨地方と奈良の飛鳥 地方の古代寺院のつながりを解明する貴重な資料になるのではないかと、注目されている。

− 御遺告  −

●1999.6.29 六月書房

    霊園ガイド等の発刊で知られる六月書房(東京・高田馬場)が弘法大師の遺言として「御遺告」を複製出版した。(領布価格:150,000円)
  • :御遺告の紹介:       

− 道元禅師の書など初公開 生誕800年行事  −

●1999.6.1 共同通信ニュース速報

    曹洞宗の開祖道元の生誕八百年を記念した「道元禅師と京都」展などの記念行事が15日から京都市中京区の京都国際ホテルで行われる。初公開の道元自筆の書などが展示されるほか、京都府内の6ヵ所の曹洞宗寺院に非公開で保存されていた掛け軸や絵画の計11点が永平寺所蔵品とともに展示される。また、同宗の古式にのっとった茶会「僧堂行茶」や大本山永平寺貫首の宮崎奕保師の講演も行われる。記念行事は18日まで。
    問い合わせは京都国際ホテル、電話 075(222)1111



 

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