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続・質問帳

若林隆壽

質問

お彼岸のお参りはお中日にしなければいけませんか

回答

若林隆壽

 

  四季の豊かな日本ですが、とりわけ春は万人に好まれる季節であり、一説には「春は三度来る」といわれています。 つまり、新しい年を迎えての初春、二月の節分の後の暦の上での春、そうして、「暑さも寒さも」といわれる、お彼岸を境にやってくる季節としての春の三度です。
その、自然の気候も本当の春を迎えるお彼岸の中日、春分の日は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として、国民の祝日にも指定されています。そこで、実際にお寺参りは、どうしてもこの一日に集中しがちで、大規模な霊園などの周囲では、毎年大変な交通渋滞となるようです。
お中日は、仏教の基本的な考え方である中道(かたよらないこころ)の象徴として、昼夜の時間が等しい春分の日に置かれています。
しかし、お彼岸は、そのお中日の前後三日間に、布施(ほどこす)・自戒(つつしむ)・忍辱(しのぶ)・精進(はげむ)・禅定(こころをしずめる)・知恵(正しく学ぶ)という六つの徳目を配した、一週間の修養期間なのです。
ですから、菩提寺で、特別な法要などが行われる場合は別として、お中日にこだわる必要はありません。 貴重な有給休暇でしょうが、たまにはご先祖さまのため、ご自身のために有効に使い、平日にゆっくりとお参りください。

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