質問
★息子に先立たれ、遺骨(いこつ)は離婚した前夫の家のお墓に埋葬(まいそう)されてしまいました。お参りしづらいのですが、どうしたらよいでしょう。
回答
若林隆壽
自分のお腹を痛め、手塩(てしお)に掛けて育てられたご子息(しそく)に先立たれたお悲しみは察するに余りあり、そのお墓にお参りなさりたいというのも、きわめて自然な感情だと思います。
お尋(たず)ねからだけでは具体的なことは、分かりませんが、一つの判断基準(はんだんきじゅん)は、どうすることが亡き方の喜ばれることなのか、ということです。
ケース・バイ・ケースですが、もし「権利」だけをふりかざしてお参りを強行したり、「分骨(ぶんこつ)」を要求したりしたがために、あなたが窮地(きゅうち)に立たされるようなことになれば、それはご子息の望まれることではないはずです。あわてずに問題を一つひとつ解決してからでも、息子さんはきっと待っていてくださるでしょう。
平成十三年度の『国民生活白書(こくみんせいかつはくしょ)』によれば、戦後長期にわたって横ばいだった離婚率が近年急上昇し、結婚したばかりの若いカップルのいわゆる「成田(なりた)離婚」、二十年以上連れ添った夫婦の「熟年(じゅくねん)離婚」などの増加によって、平成十二年には二十六万件、ほぼ五十組に一組に達したということです。
この傾向が続く限り、このような悩みも増えていくのでしょうか。
お参りしたいというあなたのお気持ちは、すでに息子さんに届いていることと思います。