質問
★「五月に父がなくなりました。生前親しかった方々にそのことをお知らせしたいのですが、「暑中見舞い」に併記(へいき)してもよいでしょうか。
回答
若林隆壽
地域によって差があることとは思いますが「家族葬」という言葉が市民権を得てきたここ数年の傾向として、「葬送儀礼(そうそうぎれい)」が、ごく限られた親族のみで行われることが多くなったことは間違いありません。
したがって、以前なら当然「訃報(ふほう)」として通知され、通夜・葬儀に参列・会葬したであろう人たちに、その報(しら)せが届かなくなった、というわけです。
本来、「暑中見舞い」は、まさに暑いさ中の相手の状況を思い遣(や)る手紙ですから、それに「死亡通知」を併記することは「ついで」であって決して丁寧(ていねい)でないことは否(いな)めません。
「暑中見舞い」に、自分の近況を伝えるという要素があることを勘案(かんあん)しても、お父さまが亡くなられた通知は別にお出しする方が良いと思います。
また、お盆を迎える時期に当たりますので、お知らせすれば、ご自宅や墓地にお参りされる方など、弔意(ちょうい)を表す何らかのリアクションがあることも容易に想像されます。
四十九日の法要(ほうよう)も済まされ、ようやく平穏(へいおん)な日常を取り戻しつつある頃と拝察(はいさつ)致します。葬儀をお知らせしなかったのですから、いっそ年末の「年賀欠礼(ねんがけつれい)」のお知らせまで待たれるのも一つのやり方ではないでしょうか。