質問
★「十三仏(じゅうさんぶつ)」とはどんな仏さまですか。
回答
若林隆壽
「十三仏」は、亡くなって初七日から、三十三回忌までの忌日年回に配当された仏さまや菩薩さまのことです。「十三仏曼陀羅」といって、「十三仏」すべてを一幅(いっぷく)の絵にし、法事のときなどにかける地方もありますが、実はその拠(よ)りどころはよく分からず、室町時代に始まった民間信仰だともいわれています。
釈迦三尊、阿弥陀三尊をはじめ、どの仏さまも菩薩さまも、それぞれに信仰されていた「人気者」ばかりで、さしづめ「オールスター」大行進といったところでしょう。
「十三仏」は、いろいろな仏さまにお願いしておけば、亡くなった方が、どこかで誰かに救われるだろう、という遺(のこ)された人々の素朴な願いが出発点だったものではないでしょうか。それだけに、きちんとした信仰心といったものには裏付けられていないように思われます。
ある意味では、三十三回忌までは怠りなく勤めなさいという戒めと受け取るべきものでしょう。