logo

続・質問帳

若林隆壽

質問

お仏壇のお灯明を息で吹き消してはいけないといわれました。なぜですか。

回答

若林隆壽

 

   数年前、海外支援事業で、ある国の、それまで電灯のなかった小学校に、日本国内の基準にあわせて照明設備を整えたところ、現地の子供たちはあまりの明るさに、目を開けて物を見ることができなかったというニュースが報じられたことがありました。
今日の日本に暮らす私たちは、夜でも人工の光に照らされる生活に慣れ、ロウソクを明るいとは感じなくなっています。しかし、今のような明かりのなかった時代、人々のお灯明に対する思い入れは、現代とは大きく違っていたはずです。
  人間の目は光があって初めて、物の存在、形を認識することができます。真の闇を知る人々にとって、ロウソクであれ、菜種油であれ、お仏壇にささげたお灯明は、どれだけ有難く感じられたことでしょう。仏教では「法灯明(ほうとうみょう)」という言葉もあるように、灯明は仏さまの教えそのものを指すことさえあるのです。
  最近テレビでは、口臭除去剤のコマーシャルが盛んに流されています。大切な人や物に、食事の臭いのする息を吹きかけることは、してはならないことなのです。
仏具店には小さな団扇(うちわ)、上からかぶせるもの、芯をつまむものなどいろいろなタイプのロウソク消しが用意されています。是非それらをご用意下さい。一度部屋の電灯を消し、お灯明の火の光のあたたかさを実感してみましょう。

その他の質問<バックナンバー>

カードの画像1

花まつり

カードの画像1

ご利益

カードの画像1

修行

質問一覧


2007 © 仏教書専門店 中山書房仏書林