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続・質問帳

若林隆壽

質問

「ご利益」について教えてください。

回答

若林隆壽

 

  物を売ったり、サービスや情報を提供したり、あるいは資金を出資したりした「見返り」として手に入れるのが「利益」とするならば、あたなの信心に「無償で授かる」のが「ご利益」といえるでしょう。 
「いやいや、私はちゃんとお賽銭を上げました」という方があるかもしれませんが、たとえそれが「始終ご縁」がありますようにという語呂合わせからの「四十五円」ではないにしても、あなたのあずかろうとする「ご利益」とはつり合っていないはずです。
  毎年の大晦日やお正月、何百万人という老若男女が初詣に繰り出します。寒い中を何時間も行列しなければ本堂にお参りできないと知りながら、それでもお参りをする人たちは、いったい何を願っているのでしょうか。「一年の計は元旦にあり」と手を合わせた、あなたがお願いされたことは何でしょうか。一年間の家族の健康、立身出世、志望校合格、交通安全など、実はどれもお金では手に入れることのできないものばかりだったのではないでしょうか。
  「縁により、信のありなしによりて利生はあり」といって、「願う」という種蒔きや、「信ずる」という水やりをしなければ、「ご利益」の花は咲かず、その果実を手にすることはできないといわれます。つまり「ご利益」にあずかれるかどうかのポイントは、本人の姿勢にあるというわけです。
十人いれば十人なりの願いがあるでしょう。自分の「利益」だけを追求するのが「我利我利」。そうならないように心がけてみると、いままでとは違った「ご利益」にあふれた生活が得られるかもしれませんね。

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