質問
★「花まつり」のお釈迦様のお姿は何を表しているのですか。
回答
若林隆壽
一口に「仏像」といっても、立っておられるものあれば、座っておられるものあります。手の形も、何か物を持っておられたり、指で輪を作られたりといろいろです。この手や指の形を「印を結ぶ」といって、それぞれに意味するところが違うのですが、たいていの場合、手は胸からお腹の前あたりにありますね。ところが、「花まつり」のときに「花御堂」の中に立っておられるお釈迦様のお像は、右手を上に高く挙げ左手は下をまっすぐに指して、まるで体操でもしていらっしゃるようなお姿です。
ご存知のように「花まつり」は仏教を開いたお釈迦様の、お誕生日をお祝いするおまつりです。ですから、このお姿は生まれたばかりのお釈迦様を表しているのです。では、なぜこのような形をしているのでしょうか。4月8日、花咲き匂うルンビ二の花園でお生まれになったお釈迦様は、すぐに「天上天下唯我独尊」(この世の中で最もすぐれた者となって、世の人々すべてを救います)と誓われた、と伝えられています。つまり、あのお姿は「あらゆる世界の人々のために」というお釈迦様の固い決意を表したポーズなのです。「花まつり」はみなさんがそれぞれ心の中に「誓いの花」を咲かせるよい機会でもあります。草木萌え出ずる春。心身をリフレッシュして、新しい自分を誕生させましょう。