質問
★「命日(めいにち)」と「祥月(しょうつき)命日」の違いを教えて下さい。
回答
若林隆壽
「命日」とは、故人の「命が終わりを迎えた日」に当たる毎月、毎年の「その日」のことをいいます。つまり、9月23日に亡くなった方の、次の「命日」は、翌月10月の23日ということになります。
これに対して「祥月命日」は、亡くなってから丸一年目、「一周忌」以降の「月も日も同じ日」をいいます。「まさしく当たっている忌日(きにち)」ということから、「正忌(しょうき)」「正当(しょうとう)」「正命日(しょうめいにち)」などともいいます。また「祥月」を「正月(しょうつき)」と書くこともありますが、これは「正忌月(しょうきげつ)」を略した言い方です。
「祥月」の「祥」は、もともとは「喪中(もちゅう)」に着ていた「凶服(きょうふく)」を脱いで、「吉服(きちふく)」 に着替えるという意味で、儒教(じゅきょう)で、親が亡くなって13ヶ月目のお祭りを「小祥(しょうしょう)」、25ヶ月目のお祭りを「大祥(だいしょう)」と称していたのを、仏教が散りいれたものだといわれています。この頃はあまり使われなくなったようですが、以前は「一周忌」のことを「小祥忌」、まる2年目の「三回忌(さんかいき)」のことを「大祥忌」と呼んでいました。
今でも「月参(つきまい)り」が欠かさず行われている地方や、毎朝夕のお仏壇へのお参りに、日めくりの「過去帳(かこちょう)」を使っておられるお宅を除けば、1年に一度の「祥月命日」はともかくとして、毎月の「命日」は、ついついないがしろになりがちです。
ご先祖さまへのご無沙汰(ぶさた)は禁物(きんもつ)。
「命日」も大切にしたいものです。