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続・質問帳

若林隆壽

質問

なぜ「御香典」などの表書きは「薄墨」で書くものだと言われるのですか。

回答

若林隆壽

 

  お悔みの心を表すために持参するお金の表書きは、「御香典」の他にも「御香資」「御香典」「御香料」 「御香華料」などいろいろな書き方があります。これらに共通しているのは、いうまでもなく「香」の字で 、昔は「お香」が手に入れることの難しい貴重品であったことに由来しています。 
「香」「資」が人名では「すけ」と読まれるように、これは「お香を買うときの、ほんの助けとしてください 」というへりくだった気持ちを表現したものです。 
では、なぜこれらの表書きが「薄墨」で書かれるかといえば、「お亡くなりになったとの知らせをいただき、あまりの突然のことに 驚いて、墨をする間もありませんでした」ということを表すためだと言われています。この他にも、前もって準備は何もできなかったという表現として、御香典にピンとした新札は使わず、仮に使うとしても端を折ってから入れるとか、葬儀はともかくお通夜の晩は、一般の 弔問者はあまりきちんとした礼服では出かけないなどの習慣がありました。 
最近では、これらの習慣もだんだんにすたれる傾向にあるようですが、心からの弔意を表すために、さまざまに工夫された細かい気配りは大切にしたいものです。

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