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鎌倉仏教

鎌倉時代には多くの宗派が生まれている。当時は政治の実権が貴族から武士へと移る転換期であり、その一方、天災・飢饉・戦乱などによって民衆の苦悩は深まっていった。しかも仏教史観によれば、末法の時代でもあった。そうした中で貴族階級中心の平安仏教に代わり、民衆の救いへの願いに応える仏教が生まれたのであった。

禅宗 浄土宗 日蓮宗 浄土真宗 融通念仏宗・時宗
 

融通念仏宗・時宗

融通念仏宗は良忍 (1072〜1132) が開祖である。良忍ははじめ天台宗を修めたが、比叡山を下り、46歳のときに阿弥陀如来より「自他融通の念仏」を受け、融通念仏宗を開いたという。自他の念仏が相互に力を及ぼしあって浄土に往生すると説いている。良忍はまた、天台声明の中興の祖としてしも有名であり、大念佛寺を総本山としている。時宗の開祖は一遍 (1239〜1289) である。一遍は証空門下の聖達に学び、後に熊野本宮で神勅を得るなどして自らの教学を形成した。一遍は捨聖といわれ、遊行をこととし、彼の門弟も一遍に従って遊行した。

また念仏を称えた人には算という念仏の札を与えた (=賦算) 。その宗団は、初め、時衆と呼ばれ、室町時代にかけて大きく成長した。清浄光寺 (遊行寺) が総本山である。


『宗教年鑑』より引用

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